Web制作の専門家としてお仕事をいただいている以上、弊社ではお客様に「弊社に依頼する安心感」をお届けすることを重要視しています。
しっかりとしたWebサイトを提供することはもちろんですが、制作過程でお客様に不安感を与えてしまっては本末転倒ですので、成果物(Webサイトを制作し納品する)だけを成果と捉えず、すべての過程においてお客様が感じられる安心感を真の成果とすることで、満足度の高いサービスを提供することが可能になります。
これらを意識することで、スムーズなプロジェクト進行だけでなく、良好なビジネス関係の構築ができると思いますので、ぜひ参考にしていただける幸いです。
1. 円滑なコミュニケーション
メールや対話を通じてお客様とコミュニケーションを取ることは、ビジネスの基本です。そしてただのコミュニケーションではなく、円滑な、つまりスムーズな情報共有のキャッチボールをすることが重要です。
「返信は早く」とか、「分かりづらい用語は使わない」など、普通のように聞こえますが、当たり前のことを当たり前にやるって結構難しいのです。(コミュ力は自己管理能力にも関係がある)
また、特にWeb制作のトピックでは、お客様が「言いたいことを正しく伝えられない」場合がよくあります。専門用語を使わず、相手の理解度に合わせた言葉を選ぶことも大切です。
コミュニケーションで意識すべきこと
- 返信はできるだけ早く(特にプロジェクトの進行に関わる連絡はASAP(なる早で):連絡が遅くなるならその連絡をしよう)
- 専門用語はできるだけ避け、分かりやすい表現を使う
- メール・チャットだけでなく、必要に応じてZoomや電話で説明する
- 相手の要望を「確認しながら」進める
「相手が理解できているか」を意識しながら、やり取りを進めることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
→関連記事:コミュニケーション能力をアップさせる方法:コミュ力アップ術
2. 仕様と納品形態を明確に
何をどのように納品するのかという事を明確にし、制作着手前に確認してもらうようにしましょう。Web制作で最もよくあるトラブルの一つが、「思っていたものと違う」といった認識のズレです。このズレを防ぐためにも、仕様と納品形態を最初にしっかり固めるということが重要です。
具体的にやるべきこと
- サイト機能要件を提出(ページ数や必要機能など)
- 納品形式(HTML/CSS、WordPress、サーバー納品など)を明確にする
- 修正回数や対応範囲を事前に決める
着手前に作業範囲と納品形式をクライアントに提示することで、クライアントも納品物に安心できますし、弊社も作業範囲を明確にできるので安心です。
3. 明確な費用の提示
クライアントの予算に応じてプロジェクトにおける費用感も変わってきますが、仕様に相応しく、かつ予算内で心地よく感じてもらえる金額に設定することも、安心感を与えるための重要な要素です。
クライアントの予算でそもそも仕様書通りのサイトが作れるのか?それとも予算が余る採算か?費用と工数のバランスは取れているか?など、お金に関する事項を慎重に考えた上見積書を作り、クライアントに提出する必要があります。
仕様書に記載のないものは「追加料金が発生する作業」となる事についても、事前に説明しておけば安心です。
透明性を持った料金提示のポイント
- 見積書を作成し、項目ごとに料金を明示
- 追加作業が発生する場合の料金を決めておく
- 支払いスケジュールを明記(着手金・納品後の支払いなど)
- 「軽微な修正」の範囲を明確に
例えば、「軽微な修正は無料」と言っても、クライアントによっては「全ページのデザイン変更」も軽微だと思っているかもしれません。こうしたズレをなくすために、最初から費用を明確に伝えておけば、お互いに安心です。
4. スケジュール管理
プロジェクト開始前にクライアントと協議しなければならないのは、希望のWebサイト公開日はあるか、という点です。もしあれば、その期日から逆算してスケジュールが組めます。もし希望の公開日がなければ、プロジェクトのボリュームからおおよその公開日を指定し、制作側からクライアントに納期の提示ができます。
どんなプロジェクトでも、予期せぬことが起こり、納期や提出期日に遅れが出てしまうことは多々あることで、明らかに致し方ない遅延やプロジェクトの品質に関する遅延はクライアントも理解してくれるでしょう。
ただし、スケジュール管理で一番してはいけないことは「作業や納期が遅くなるという連絡が遅くなる」ことです!間に合わないことは間に合わないということで致し方ありませんが、遅延の連絡が遅れればさらなる遅延を招き、信頼度の低下を招きます。遅れる際は思い立った瞬間に連絡を入れるようにしましょう。
スケジュール管理のポイント
- マイルストーン(主要な進捗ポイント)を設定する
- クライアントにも期限を設ける(素材提供、確認作業など)
- 進捗状況を定期的に報告
- トラブルが発生した場合はすぐに報告・調整
例えば、「デザイン確認が1週間遅れると、納期も1週間ずれる」ことを事前に説明しておくと、クライアントも対応を早めてくれます。プロジェクトの進行を円滑にするためには、連絡は早めに、そしてしっかりスケジュールの提示ができれば、お互いに安心です。
5. 秘密保持契約(NDA)を結ぶ
Web制作の仕事では、企業の内部情報や未公開のプロジェクトに関わることも多く、クライアントが「情報漏洩」を気にすることがあります。その情報漏洩を絶対しません、とする契約が、秘密保持契約(NDA:Non-Disclosure Agreement)です。
クライアントの情報を守るということだけでなく、自分や自社を守るためにも秘密保持契約(NDA)を結ぶことをおすすめします。(NDAが必要な場合は、大体クライアントからその旨申し出があるかと思います)
NDAを結ぶのメリット
- クライアントが安心して情報を提供できる
- 制作者側も情報管理を徹底する意識が持てる
- 契約があることで信頼性が増す
ビジネスはアイディア勝負。クライアント企業のアイディアを盗まれないように守ることは、その企業をクライアントとして持つ制作事業者としての義務。双方の安心に繋がります。
6. マニュアルと納品物の説明
サイトが完成したら、仕様書に基づき、全ての作業が完了したことをしっかりと説明する打ち合わせを設けることが重要です。その打ち合わせにてクライアントの質問や確認事項などにも応対できるでしょう。
また、WebサイトはWordPressにて納品することで、クライアントでもワープロ感覚でサイト内コンテンツの編集ができるようになります。
ただしWordPressがどれだけ簡単だと言っても、クライアントが「使い方が分からない」とならないように、マニュアルや運用ガイドを用意してあげることが大切です。
納品時に意識すべきこと
- 基本操作のマニュアルを作成(PDFや動画でもOK)
- 運用ルール(バックアップ、更新方法など)を説明
- 納品後のサポート内容を明確に(無償対応の範囲など)
- 1回のレクチャーを提供すると喜ばれる
弊社ではマニュアルは動画にて提出しています。管理画面を操作しながら、音声を乗せ、操作画面を録画。出来上がった動画マニュアルはYouTubeに限定公開でアップし、そのURLを共有させていただいています。マニュアルがあると、クライアント側の負担も減り、追加の問い合わせも少なくなり、お互いに安心です。
記事まとめ
Web制作の仕事は、単に「サイトを作る」だけでなく、お客様に安心してもらうことが重要だと考えています。そのためには、以下の6つのポイントを意識することが大切です。
- 円滑なコミュニケーションを心がける
- 仕様と納品形態を明確にする
- 明確な費用の提示を行う
- スケジュール管理を徹底する
- 秘密保持契約(NDA)を結ぶ
- マニュアルを用意し、納品後のサポートを明確にする
これらを実践することで、クライアントとの信頼関係を築き、スムーズなWeb制作が可能になります。